曽根富美子さんの作品はシビアな内容のものが多いため、この「親なるもの断崖」も然りかと思っていたら、案の定、非常にディープな内容でした。これは、北海道室蘭の幕西遊郭へ身売りされてきた4人の少女の生き様を描いた物語です。漫画家協会賞優秀賞を受賞した作品ということで、なるほど、色々と考えさせられる漫画です。コミック版は絶版になっているそうで、このように電子書籍(電子コミック漫画)化されて手軽に読めるようになったのは素晴らしいことです。北海道室蘭の幕西遊郭については資料がほとんど残っていないそうで、そのような中これほどの作品を描き上げた曽根富美子女史には頭が下がる思いです。「親なるもの断崖」というタイトルの意味は読み進めていく内に明らかになりますが、口減らしのために少女を身売りする、今では考えられない非情な状況、厳しさはまさに「断崖」。タイトルにも曽根富美子女史のセンスが光っています。女性がその人権が認められ社会に進出するようになった現代ですが、性を商売道具にせざるを得なかった悲しい女性達の犠牲の上にそれが成り立っていることを忘れてはなりません。電子書籍(電子コミック漫画)を読むなら絶対に外せない作品です。漫画家協会賞優秀賞受賞はダテではありません。全ての人に読んで欲しい漫画です。
親なるもの断崖(曽根富美子)無料